vast.ai で RTX 5090 を借りて ローカル LLM を動かす|2026-08 版
第 4 章

アカウント作成と入金

クレジット前払い制。残高が尽きるとインスタンスがどうなるかまで先に押さえる

この章で分かること

前払い制 — 使う前にお金を置いておく

vast.ai はクレジットの前払い(pre-payment)を要求します。クレジットとは、vast.ai のアカウントに預けておく前払い残高のことです(単位は USD)。これを先に買っておき、そこから秒単位で引き落とされていくプリペイド式で、月末に請求が来る後払いではありません。公式の言い方は「インスタンスを起動する前にアカウントへクレジットを追加しなければならない」。交通系 IC と違うのは、残高が尽きると改札で止められるのではなく借りている GPU が勝手に止まり、放置するとデータごと消える点です。

秒単位は文字どおりで、公式 FAQ は「借りて 10 分後に消したら 1 時間分払うのか」に「10 分の使用分だけ課金される」と答えています。切り上げはありません。残高は数秒ごとに更新され、ダッシュボード右上に出ます。

お金が出ていく口は 3 つある

ここが最初の関門です。課金は GPU 代だけではなく 3 本立てで、それぞれ課金される条件が違います。

課金される対象単位いつ課金されるか
GPU(Active rental)USD/時インスタンスが active / connected である毎秒
ストレージUSD/GB/月(API・CLI のフィールド storage_cost の単位)インスタンスが存在してオンラインである毎秒。停止中でも止まらない
帯域(Bandwidth)USD/GB(inet_down_cost / inet_up_cost)送受信された1 バイトごと。インスタンスの状態を問わない

3 つの単価はマシンごとに大きく異なるので必ず確認せよ、と公式は書いています。内訳は Search ページの offer(= 貸し出しの貼り紙。第 2 章)やインスタンスカードで価格にカーソルを乗せる(ホバーする)と出て、帯域の単価はその Internet: セクションにあります。

ひとつ紛らわしいのは、公式ドキュメントが場所によって違う単位で同じ料金を書いていることです。Billing ページの本文はストレージを USD/GB/時、帯域を USD/TB と表記しますが、API と CLI が実際に返す数字は上の表の単位です。本書は数字が出てくる側(API・CLI)の単位で統一します。

そして表示されている USD/時 に帯域費は入っていません。公式 FAQ の「なぜ想定より 1 時間あたりの請求が多いのか」への回答がこれで、帯域は使用量ベースなので cost/hr にも cost/day の内訳にも現れないと明記されています。逆にディスク代は「少しだけ」入っています。検索結果に並ぶ USD/時(API のフィールド名は dph_total)は GPU 代とディスク代の合計ですが、そのディスク代は既定の小さな確保量で計算されています(CLI vastai search offers の --storage 既定は 5 GiB、REST の allocated_storage 既定は 8 GB)。実際に 40 GB を確保すれば、その差額が表示価格の上に乗ります。

金額の桁を先に押さえる

2026-08-24 時点で公開 API から取得した、1 枚構成の RTX 5090(on-demand、64 件)の実測値です。相場は日単位で動くので、借りる直前に画面でも確認してください。

計算例: 最低入金額 5 USD ÷ 0.4037 USD/時 = 約 12 時間

最低入金額の 5 USD(1 USD = 150 円として約 750 円)で、RTX 5090 を 12 時間ほど動かせます。もう 1 つ計算例。40 GB のディスクを確保したまま 1 か月放置すると 40 GB × 0.200 USD/GB/月 = 月 8 USD で、この時間単価の約 20 時間分に相当します。ディスクは実際に使った量ではなく「確保したサイズ」に課金されます。「GPU を止めたから安全」ではないことが、この 2 つの計算例だけで分かります。

残高 (USD) 時間 入金(Add Credit) 稼働中 = GPU + ディスク + 帯域 傾きが急 stop 後 = ディスク代が残る stop 0 USD に到達 → 自動停止
図 4-1 入金で垂直に立ち上がり、右下へ向かう線が残高です。要点は傾きが 2 段になっていることで、stop すると GPU 代は消えてもディスク代は消えません。0 に触れた先は、この章の後半で扱います。

アカウントを作る — 関門はメール検証

公式 Quickstart の順序は「cloud.vast.ai でアカウントを作る → メールアドレスを検証する → Billing の Add Credit でチャージする → autobilling を理解する」です。

2 番目を飛ばすと先に進めません。公式の Note は「マシンを rent する前、あるいは team を作る前に、メールアドレスを検証しなければならない」と明言しています。検証メールが無いときは Account Settings ページの Account Security セクションにある Resend Verification Email の Resend ボタンで再送できます(迷惑メールフォルダも見ます)。

さらに厄介なのが支出レート制限(spend rate limit)です。公式 FAQ は「新規ユーザーには支出レート制限がある。メールを検証したか確認せよ。さもないと制限はほぼゼロ」と書いています。検証すれば制限は時間とともに自動的に増えます。「入金したのに借りられない」の原因はほぼこれです。具体的な上限額と単位(1 時間あたりか 1 日あたりか)は公式に明記されていません。

① サインアップ cloud.vast.ai ② メール検証 Account Settings から再送 ③ カードを登録 番号は Stripe に直接渡る ④ Add Credit で入金 最低 5 USD ⑤ 2FA を有効にする Authenticator App 推奨 ⑥ API キーを発行 CLI と API を使うなら Rent できない 支出レート制限がほぼゼロ No such payment method id None. というエラーで止まる メール乗っ取りに弱い メール変更に再検証が無い Web コンソールだけで完結 キー無しで操作できる この順で進む 未検証のまま 登録せずに入金 有効にしない 発行しない
図 4-2 左の列が進む順、右の列が飛ばしたときの結末です。②と③は飛ばすと必ず詰まりますが、⑤と⑥は用途次第で選べる分岐です。
やってみる 4-1|アカウントを作り、メール検証とカード登録まで済ませる

お金は動きません(0 USD)。所要 10 分。この章の残り全部の土台です。

  1. cloud.vast.ai を開き、メールアドレスとパスワードでアカウントを作る。
  2. 届いた検証メールのリンクをクリックする。届いていなければ迷惑メールフォルダを見る。それでも無ければ Account Settings の Account Security で Resend を押す。
  3. サイドバーの Account セクションから Billing を開き、Credits Panel にある Add Credits ボタンでクレジットカードを登録する(この時点では入金しない)。カード番号は Vast.ai を通らず Stripe(= カード決済を代行する事業者)へ直接渡ります。
  4. Account Settings の Invoice Information に請求書の宛名を入れて Save(空欄ならメールアドレスが Bill To: になります)。

ダッシュボード右上の残高が 0.00 と出て、検証を促す警告が消えていれば完了です。カードを登録しただけでは1 円も課金されません。

入金と、二段構えの警報

使える支払い手段は 2 系統です。

PayPal は入金手段としてはサポートされていません。カードでクレジットを買うには、先にカードを登録しておく必要があります。登録せずに購入しようとすると No such payment method id None. というエラーになる、と公式 FAQ が明記しています。最低入金額は 5 USD で、入金手数料については公式に記述がありません(明記なし)。

返金は厳しめです。使ってしまったクレジットは一切返金されません(原文は「absolutely no refunds」)。未使用分はサイトのチャットで依頼すれば「ほとんどの場合」返金できるとありますが、暗号通貨で買った分は返金しないという記述もあります。最初は 5〜20 USD をカードで入れるのが安全です。

autobilling と低残高メールは 2 段に置く

autobilling(= 残高が自分で決めた額まで下がったとき、登録カードへ自動で請求して残高を戻す仕組み。クレジットカード専用で、暗号通貨では使えません)は Billing ページで有効にします。設定値について、公式は 3 つのページで同じ推奨を繰り返しています。

autobilling 閾値 = 自分の平均的な日次〜週次の支出額 / 低残高メールの閾値 = autobilling 閾値 × 0.75

なぜ 2 段なのか。autobilling だけだと、カードの期限切れなどで自動請求が失敗したことに気づけません。閾値の 75% に低残高メールを置けば、請求が失敗して残高が減り続けたときに0 に達する前に警告が届きます。暗号通貨で払いたい人にも、公式は「削除防止のバックアップとしてカードを登録しておくとよい」と案内しています。

閾値の決め方に注意が 1 つ。公式の警告文は「残高が autobilling の閾値まで下がるか、マイナスになると、カードは自動的に請求される」です。つまり閾値は「今の残高より低い額」に置きます。入金額と同じ値にすると、入金した直後にもう「閾値まで下がっている」状態なので、意図しないタイミングで請求が走ります。1 回の自動請求でいくら課金されるかは公式に記述がありません(明記なし)ので、試用のあいだは閾値を低めにしておくのが安全です。

通知は Account Settings の Notification Settings にあり、Account / Billing / Instance の 3 グループに分かれています。Save を押さないと保存されません。低残高の閾値は Billing ページ側にも並んでいるので両方を見ます。お金の事故に直結するのは Instance グループの次の通知です。

autobilling 閾値 カードに自動請求 低残高メール 閾値の 75% 0 USD インスタンス自動停止 残高が減っていく 請求が成功すれば残高は戻る 閾値 = 平均日次〜週次の支出額 気づくのはジョブが止まった後
図 4-3 右へ進むほど残高が減ります。2 段にするのは、1 段目(自動請求)の失敗を 2 段目(メール)で知るためです。1 段だけだと、気づく機会が 0 USD まで来ません。
やってみる 4-2|5 USD だけ入金し、二段構えの警報を仕掛ける

ここで初めてお金が動きます。今すぐ動く金額は 5 USD(1 USD = 150 円として約 750 円)で、RTX 5090 なら約 12 時間分(2026-08-24 時点の中央値 0.4037 USD/時 で計算)。所要 10 分。手順 2 以降は「カードへの自動請求」を仕掛ける作業なので、支出を 5 USD で打ち止めにしたい人は手順 2・3 を飛ばして手順 4 だけ行ってください(そのかわり、残高 0 のときインスタンスとデータが守られません)。

  1. Billing ページの Add Credit で 5 USD を購入する。最低入金額はこの 5 USD。
  2. 同じ Billing ページで autobilling を有効にし、閾値を 2 USD にする。公式の推奨は「閾値 = 平均的な日次〜週次の支出額」で、1 日 2〜5 時間試す想定なら日次は 0.8〜2 USD 前後(計算例: 5 時間 × 0.4037 USD/時 = 2.02 USD)。閾値は必ず入金額 5 USD より低くします。
  3. 低残高メールの閾値を 閾値の 75% = 1.5 USD に設定する。この欄は Billing ページ側にあります。
  4. Account Settings の Notification Settings を開き、Instance GPU idle / Instance stopped / Instance expiring soon のメールをオンにして Save を押す。

Credits Panel の残高が 5.00 になり、Invoices タブに 1 行増えていれば成功です。Save を押していない通知設定は保存されていませんので、再読み込みして残っているか確認します。

鍵は 3 種類ある。2FA は最初に入れる

Keys ページ(cloud.vast.ai/manage-keys)には 3 種類の「キー」が並んでいます。名前が似ているだけで役割は完全に別物です。

種類何に使うか寿命
SSH KeysSSH(= 遠くのコンピューターに安全にログインする仕組み。第 9 章)でインスタンスに入るための公開鍵。登録すると以後作るインスタンスに自動で追加される手動で削除するまで
API KeysCLI・REST API・SDK の認証。Web コンソールはキー無しで動く既定では期限なし
Session Keysログイン時に自動で作られる一時キー。ログイン中のデバイス一覧にもなり、不審なものを削除すればアクセスを剥奪できる1 週間

ブラウザだけで使うなら API キーは要りません。CLI(= ターミナルから打つコマンド形式のツール。vast.ai のものは vastai という名前で、導入は第 8 章)や自動化を使うときに 1 本作ります。注意は 2 つ。①キーの値は作成時に一度しか表示されません(失くしたら reset するしかなく、古いキーは即座に止まります)。②既定のキーは請求・インスタンス作成・キー管理を含むフルアクセスです。権限は JSON で絞れます(トップレベルのキーは常に api)。

{
  "api": {
    "misc": {},
    "user_read": {},
    "instance_read": {},
    "instance_write": {}
  }
}

これは「請求には触れない、インスタンス管理専用キー」です(misc が offer 検索、instance_write が作成・破棄、billing_write がクレジット移転を制御)。CLI からは vastai create api-key --name "local-dev" --permission_file perms.json の形で渡します。

2FA(= サインイン時にパスワード以外の第 2 の確認を要求する仕組み)も、この段階で入れます。理由は具体的で、vast.ai はメールアドレスを変更するとき再検証を要求しません。メールを乗っ取られるとアカウントも危うくなります。使える方式は Authenticator App(推奨)と SMS の 2 つで、どちらか 1 つは必ず設定する必要があります。Email は単独では使えず、1 つ目の方式を登録するときの本人確認に自動で使われるバックアップです(登録後もログイン画面で自分で選ぶことはできますが、自動では飛んできません)。

手順は 5 手です。①Account Settings の Account Security にある Enable Two-Factor Authentication を押す → ②登録メールアドレスに届いた確認コードを入れる → ③Authenticator App (Recommended) を選んで Continue → ④スマートフォンの認証アプリで画面の QR コードを読む(読めなければ併記されたセットアップキーを手入力する)→ ⑤アプリに出た 6 桁のコードを入れて Verify。入力コードの有効期間は 10 分です。完了するとワンタイムのリカバリーコードが 10 個渡されます。各コードは 1 回しか使えず、電話を失ったときの唯一の入口なのでパスワードマネージャに保存します。

失敗回数の上限も押さえます。SMS は 3 回、Authenticator App は 5 回失敗すると、その方式が 15 分ロックされます(アカウント全体ではありません)。別の方式かリカバリーコードがあれば、その間もログインできます。

やってみる 4-3|API キーを 1 本作って、残高をコマンドで確認する

お金は動きません(0 USD)。所要 5 分。入金が反映されているかを画面以外の手段で確かめるのが目的です。

  1. cloud.vast.ai/manage-keys の API Keys セクションで +New を押す。
  2. 名前に local-dev と入れる(名前は自分が識別するためだけのもので、リクエストには送られません)。権限はこの練習では既定のまま(フルアクセス)にします。絞るときは user_read を必ず残してください。外すと手順 4 の残高確認が 403 になります。
  3. Create を押し、表示されたキーをすぐコピーしてパスワードマネージャに保存する(二度と表示されません)。
  4. ターミナルで次を実行する。<API キー> は手順 3 でコピーした文字列に置き換えます。
curl -s -H "Authorization: Bearer <API キー>" \
  "https://console.vast.ai/api/v0/users/current/" | grep -o '"credit":[^,}]*'

"credit": 5.0 のように、いまの残高(USD)が返れば成功です。Windows の PowerShell では、行末の \ を消して 1 行にまとめ、curl ではなく curl.exe と書きます(PowerShell の curl は別コマンドの別名になっているため)。grep も無いので | grep ... ごと外し、返ってきた JSON の中から credit を目で探します。401 や 403 が返るときは、キーのコピー漏れ・期限切れ・権限の絞りすぎのいずれかです(この 3 つを公式も典型原因として挙げています)。

残高が 0 になった瞬間から何が起きるか

この章で一番重要な節です。公式の Negative Balances の記述はかなり強い言い方をしています。

クレジットが 0.00 USD に達すると、あなたのインスタンス・ストレージボリューム・データは、残高をプラスに戻さない限り削除がスケジュールされる。

順を追うとこうなります。

  1. インスタンスは自動的に停止されます。実行中のプロセスは落ちます(学習途中ならそこで切れます)
  2. 停止中、インスタンスは GPU から切り離されます。データはまだコピーして持ち出せます
  3. 停止していても、残高がマイナスでも、ディスクストレージの課金は続きます。しかも停止中の単価は稼働中より高い場合があります
  4. 削除までには短い猶予期間(grace period)があります。長さはアカウントの平均日次支出から計算され、過去の支出が多いほど比例して長い。つまり使い始めたばかりのアカウントほど猶予が短い(具体的な日数は公式に明記なし)

その先はカードを登録しているかどうかで結末が変わります。カードがあれば定期的に自動請求されてマイナスが埋まり、削除から守られます。カードが無ければ補填手段が無いので、インスタンスと保存データは destroy されます。公式の Tip はこう書いています。

アカウントに見えているインスタンスは、残高がマイナスでもゼロでも、決して無料ではない。
残高が 0 USD に届く 秒課金なので予告なく 自動で停止する GPU から切り離される 猶予期間 (grace period) 長さは平均日次支出で決まる カードを登録している 自動請求でマイナスを埋める インスタンスは守られる カードが無い 補填する手段が無い インスタンスとデータを destroy 即時 そのまま 停止中もディスク代は課金され続ける(残高がマイナスでも) カードあり カードなし
図 4-4 上段が 0 USD に触れてからの時間、下段がカードの有無で分かれる結末です。上段のどこにいてもディスク代は課金され続けるので、猶予期間は安全な期間ではなくカウントダウンです。

典型的な事故は「学習を回して寝る → 残高が尽きて停止(プロセス即死)→ ストレージ課金だけが続く → 気づかないまま猶予期間を過ぎ、カード未登録ならデータごと消える」です。カードを登録し、低残高メールを仕掛けておくだけで止まります。

使った額を確認する

Billing ページのパネル何が見えるか
Credits Panel現在の残高と、インスタンス・ストレージボリュームに今いくら使っているか
Transfer Creditsクレジットを他アカウントや team へ移す。取り消せないのでメールアドレスを二重確認する
Transaction History → Invoices手動・自動の課金記録、移転、返金(既定のタブ)
Transaction History → Chargesインスタンス・ボリューム別の明細。行を開くと GPU 使用・予約ディスクストレージ・アップロード/ダウンロード使用に分解される
Export任意の期間について請求書を生成する

見積りより減りが速いときに見るのは Charges タブです。行を開いた内訳は API 上で gpu / disk / bwd(下り帯域)/ bwu(上り帯域)に分かれます。bwd が大きければ、モデルやデータセットのダウンロードが原因だと確定できます。

コマンドでも取れます(CLI の導入は第 8 章)。既定の期間は今日で終わる 7 日間、既定の件数は 20(最大 100)です。

vastai show invoices-v1 --charges -s <開始日 YYYY-MM-DD> -e <終了日 YYYY-MM-DD>
vastai show invoices-v1 --invoices

発行される請求書に、日本の適格請求書として必要な発行者側の情報が載るかは公式に記述がありません(明記なし)。経費で処理するなら、最初の 1 か月分を Export して中身を先に確認します。

つまずきポイント

「stop すれば課金は止まる」と思っていた

止まるのは GPU 代だけです。ストレージ課金はインスタンスが存在する限り続き、停止中の単価は稼働中より高い場合すらあります。公式はこれを 4 か所で繰り返し警告し、「ストレージ課金を止めるにはインスタンスを完全に削除せよ」と書いています。完全に止める操作は destroy です。2026-08-24 時点の中央値なら、40 GB を止めたまま 1 か月置けば月 8 USD で、これは 0.4037 USD/時 の約 20 時間分に当たります。

「表示の 0.40 USD/時 だけ払えばいい」と思っていた

画面の USD/時 に帯域費は入っていません。帯域は「送受信された 1 バイトごと」に課金され、インスタンスの状態を問いません。単価は価格をホバーして出る Internet: セクションで確認します。2026-08-24 時点の中央値は下り 0.0026 USD/GB なので、20 GB のモデル 1 本で約 0.05 USD(計算例)。桁は小さいものの、大きなデータを何度も出し入れすると効いてきます。ディスク代も一部しか入っていません。表示価格が織り込んでいるのは既定の確保量(CLI の --storage 既定 5 GiB、REST の allocated_storage 既定 8 GB)ぶんなので、実際に 40 GB を取ればその差額が上乗せされます。

入金したのに借りられない / 高い offer が選べない

ほぼメール未検証です。新規ユーザーには支出レート制限があり、公式は「メールを検証したか確認せよ。さもないと制限はほぼゼロ」と書いています。残高が足りているのに Rent が通らないときは、入金額を疑う前に Settings で検証状態を確認します。

理解度チェック

Q1. 残高が 0 USD に達したら、インスタンスとデータはどうなりますか?

まずインスタンスが自動停止し(実行中のプロセスは落ちる)、GPU から切り離されます。データはまだ持ち出せますがディスク課金は続きます。その先はカードの有無で分岐し、登録していれば自動請求でマイナスが埋まって守られ、無ければ猶予期間の後にデータごと destroy されます。猶予期間の長さは平均日次支出から計算され、日数は公式に明記されていません。

Q2. インスタンスを stop すれば課金は完全に止まりますか?

止まりません。GPU 代は止まりますが、ストレージ課金は続きます(停止中は単価が高い場合もあります)。完全に止めるには destroy が必要で、これはデータも消える不可逆操作です。ストレージは「確保したサイズ」に課金されます。

Q3. 画面に出ている USD/時 に含まれていない費用は何ですか。単価はどこで確認しますか?

帯域費(アップロード・ダウンロード)です。使用量ベースなので cost/hr にも cost/day の内訳にも現れません。単価は価格をホバーして出る Internet: セクション、実績は Billing ページの Charges タブ(bwd / bwu)で確認します。ディスク代も既定の確保量(CLI 5 GiB / REST 8 GB)ぶんしか入っていないので、大きなディスクを取るとその差額も乗ります。

Q4. autobilling の閾値を 8 USD にしたとき、低残高メールの閾値は何 USD にしますか。なぜ 2 段にするのですか?

8 USD × 0.75 = 6 USD です。閾値は「平均的な日次〜週次の支出額」、メールはその約 75%、というのが公式の推奨です。2 段にするのは自動請求が失敗したことに気づくため。1 段だけだと、カードの期限切れで請求が失敗しても気づく機会が 0 USD の瞬間まで来ません。

Q5. 最低入金額の 5 USD で、1 枚構成の RTX 5090 は何時間くらい動かせますか?

2026-08-24 時点の実測中央値 0.4037 USD/時 なら 約 12 時間(計算例: 5 ÷ 0.4037)。1 USD = 150 円として約 750 円分です。ただしこれは既定の小さなディスクを前提にした時間単価での見積りなので、大きなディスクを取ればその差額が、通信すれば帯域費が別に乗ります。最安 0.3215 USD/時 のホストなら約 15 時間です。

まとめ

次章では、実際に借りる相手を選ぶための offer カードの読み方(信頼度・回線速度・PCIe 世代・ディスク容量)に入ります。